Wheel of Fortune/運命の輪

カードの持つ意味：
運命の女神は車輪や糸車など、「回転する物」を持っている事が多いようです。そして、現在過去未来の三姉妹である事もあります。
ギリシア神話の運命の女神、モイラ（複数形でモイライ）は、クロト（紡ぐ）、ラケシス（織る）、アトロポス（断つ）の三姉妹で、それぞれ誕生、生、死を司っていて、彼女達を象徴するのが糸車です。
また、「10」という数字は「1」＝肉体と「0」＝魂の合体であり、それが生命そのものをイメージするため、このカードは【運命の輪】を暗示するのでしょう。
生命は常に動き続け、停まるのはその肉体か魂が終わる時です。その絶え間なく動き続ける様が、車輪や糸車など回転する物のイメージなのかも知れません。
また、ローマの運命と幸運の女神フォルトゥナは、目隠しをして蛇と車輪を持った姿で描かれるのがルールのようです。この目隠しは運命や幸運を意図的に操作する事が出来ないように、と言う意味らしいのですが。英語の辞書を引いてみると、"Fortune"は同じ運命と言う意味の"Fate"に比べて偶然の要素が強いようなニュアンスで書いてあります。さらに"wheel"には車輪の他にルーレット、舵輪やハンドル、と言う意味もあります。つまり【運命の輪】は、ルーレットのように「偶然性」の強いものと、ハンドルのように「自分で操作可能な物」と言うニュアンスを合わせ持っているのです。
運命の手綱を握っているのは自分自身、と言う事でしょうか。また、人間の指は基本的に10本ですから、「10」は指を使って数えられる数の限界、つまり人間に制御できる限界を表していると考える事も出来ます。
また、【愚者】の旅は、此処へ来て急激に抽象的な物になってきます。【陰者】までの旅で様々な他人の価値観を知った【愚者】は、ここから自分の内部への旅に出るのかもしれません。

正位置：
偶然/幸運/向上心/臨機応変/衝動的
逆位置：
すれ違い/見当違い/下降/不幸/長続きしない関係