Temrerance/節制

カードの持つ意味：
【節制】は錬金術と縁の深いカードで、トート版のデッキではそのものズバリ、「錬金術（"The Art"）」と言うカードになっています。
このカードは「努力」「鍛練」を表すカードで、目標に向かって一心不乱に進む状態を表します。
「14」という数字は、「7×2」もしくは「28/2」と考えると解りやすいかもしれません。
「7」は【戦車】のカードの番号であり、【戦車】が物理的な前進を表すのに対し、【節制】はさらに「心の前進」を表します。
「28」は、月の周期です。もっと厳密に言えば、女性の月経にかかわりの深い数字です。月経は妊娠→出産と言うプロセスの準備段階と言えます。錬金術はともかく、科学だけでは子供をつくり出す事は出来ません。そこから「性」と言った要素を読み取れます。「性」はインドのシャクティ（性力）に代表されるように、「女性原理」であると同時に「男女の協力」なくしてはありえません。ここから、「二つのものが混じりあう」と言う要素が読み取れます。【恋人達】では二つの要素が合わさる事に意味があり、結合と言うよりは融合のニュアンスが強いのですが、【節制】では同じ混じり合うにしてもその結果がより重視されます。男女が交われば子供が出来、複数の金属を混ぜ合わせれば合金が出来ます。
ここから、「心と体」、「理想と現実」、「意識と無意識」と言った対極にあると言うよりはまったく異なる性質を持つもの同士を混じりあわせる事で、新たな結果を得ようとする考え方が出来ます。
また、このカードは「水」のエレメントの支配者でもあり、配下には【陰者】【戦車】【運命の輪】【恋人達】がいます。「水」は器に応じてその姿を臨機応変に変えるものであり、生命の生まれた場所でもあります。しかし、大雨や氾濫や津波など、過剰であれば大きな災害を引き起こすものでもあります。自然災害に対して人間は「知識」と「経験」、そして「技術」で対抗してきました。雨を避けるために屋根を造り、氾濫を防ぐ為にダムを造り、津波を防ぐために防波堤を造ってきました。「水」は他のエレメントよりも人間が制御できる範囲が広いのですが、完全にコントロールする事は実質不可能。例えば、海にはまだまだ人間の知らない世界が広がっているでしょう。それでも人は挑み続けます。

正位置：
努力/制御/禁欲/変化/適応
逆位置：
馴染めない/コントロールできない/力不足/徒労/馴れ合い